(質問要旨)

3 朱雀高校の今後の在り方について

勤労青少年の減少により生徒数の減少が続く夜間定時制課程や、応募者数の増加が続く通信制課程については、家庭や本人を取り巻く環境の多様性を踏まえ、全日制とは異なる経済的支援や、導入時期を柔軟に考慮した上でのデジタル化など、時代の変化に対応し、地域の社会インフラとしての役割を発揮するような特色ある変革が必要と考えるがどうか。また、こうしたことも踏まえ、長い歴史を持ち、歴史・文化や交通アクセス等に恵まれ、地域に親しまれている朱雀高校の将来像をどのように考えているのか、所見を伺いたい。     (教 育 長)

(教育長答弁)

青木議員の御質問にお答えいたします。
高校の定時制・通信制課程についてでございますが、勤労青年等に高校教育の機会を提供するために制度化され、長きにわたり、高校教育の普及と教育の機会均等の理念を実現する上で大きな役割を果たしてきたところでございます。

しかし、近年は、少子化の進展、社会経済の変化に伴い、高校に入学する生徒の能力、適性、興味・関心等は多様化し、様々な入学動機を持つ生徒への対応が求められており、定時制・通信制課程についても、制度発足当初とは大きく異なる生徒や保護者のニーズに対応していく必要が生じております。

京都府におきましては、この間、従来の定時制の枠組みに捉われない、フレキシブルな学びを提供する新しいタイプの高校を整備する「京都フレックス学園構想」を打ち出し、平成27年度には清明高校を、令和2年度には清新高校を設置し、一人一人の生徒に応じた授業履修ができる自由度の高い教育システムを構築し、特色ある教育活動を実践してまいりました。

ここ数年、府立の夜間定時制や通信制課程に入学する生徒が減少している一方で、こうした柔軟な教育システムをもつ昼間定時制や、私立の通信制高校を希望する生徒は増加傾向にあります。

また、デジタルトランスフォーメーションの進展など、社会の在り方が大きく変わりつつある中で、こうした変化にも対応しながら、一人一人の生徒の学びをしっかりと保障していく必要があると考えております。

府教育委員会といたしましては、通信制課程と定時制、全日制課程との新しい連携の在り方やICTを効果的に利活用した教育システムの導入などについて、有識者会議での御意見も踏まえながら、「府立高校の在り方ビジョン」において、方向性をお示ししたいと考えております。

次に、朱雀高校の将来像についてでございますが、全日制、定時制、通信制の3課程を併設していることから今後の定時制・通信制課程の在り方と同校の将来像は密接に関わってまいります。

このため、今後の生徒数の動向や時代の変化を見据え、府立高校全体の定時制・通信制課程の在り方を検討する中で、朱雀高校の在り方についても議論してまいりたいと考えております。

また、議員御指摘のとおり、朱雀高校は立地条件に恵まれている一方で、校地が狭く、学校施設の老朽化が進んでいるといった課題もございます。

府教育委員会といたしましては、有識者会議における学科や課程の在り方についての御意見等も参考にしながら、恵まれた文化的風土や交通の利便性などを活かし、施設環境の整備も含め、小さいながらも特色が際立つ学校として、その将来像を描いてまいりたいと考えております。