(質問要旨)
1 幸福度調査と京都府総合計画について
国連関係団体が毎年公表する各国の幸福度調査によると2020年版で日本は153か国・地域中62位にとどまり、また、日本総合研究所の2020年版都道府県幸福度ランキングで本府は47都道府県中16位となった。コロナ禍は、京都府総合計画にも少なからず影響を及ぼしており、人々の意識も感染拡大前後では大きく変化する中、今後の府政運営に当たっては、地域の幸福を考え、顕在化したリスクや数値化が難しい指標等を考慮することが重要と考えるが、幸福度調査と京都府総合計画に関し、次の諸点について、知事の所見を伺いたい。
(1)コロナ禍を踏まえ、地域の幸福を考えたとき、より生活の豊かさや満足度等に着目した政策を立案すべきと考えるが、府民の意識の変化や生活への満足度をどのように政策に反映させているのか。
(2)長期に及ぶコロナ禍の中で、新たにどのようなリスクが顕在化したと考えるのか。また、今後の地域の幸福度を高めるために、どのような指標や観点が重要と考えているのか。
(答弁)政策企画部
青木議員の御質問にお答えいたします。
幸福度調査と京都府総合計画についてでございます。
行政に対するニーズが多様化・複雑化する中で、議員御指摘のような「地域の幸福」、生活の「豊かさ」「満足度」をできる限り正確に把握するよう努め、府政の推進へと活かしていくことは、大変重要であると考えております。
一昨年10月に策定いたしました、府政運営の羅針盤である京都府総合計画「京都夢実現プラン」では、20年後に実現したい京都府の将来像をまず示し、そこに至るアプローチとして4年間で取り組む施策や数値目標を設定するなど、新しいマネジメント手法により、府政の推進を図っております。
このうち、「子育て環境日本一」など5つのテーマについては、「府民協働で取り組むきょうとチャレンジ」として、京都府が取り組む施策に加え、府民や地域、企業、団体など多様な主体と連携して取り組みたい事項を掲げており、府民の総力を結集することで、きめ細かく府民の方々のニーズにも対応したいとの思いを込めております。
また、数値目標については、府民満足度を重視する観点から、アンケートによる府民意識調査の項目を指標に盛り込んでおります。例えば、子育てに喜びや楽しみを感じている親の割合、趣味や地域貢献活動など、やりがいや生きがいを感じるものがある高齢者の割合、仕事をはじめ社会的な生活を営む上で、自分の持っている才能や知識、技量などが十分に発揮できていると思う人の割合など、府民満足度に関連する10項目について、4年後の目標値を新たに設定しているところでございます。
こうした数値目標の達成状況をはじめ、計画に掲げる施策の進捗状況や、新たな課題の把握などについて、毎年度、学識経験者等から意見を伺い、多角的な視点で振り返りを行うなどにより、府民の意識の変化や満足度を反映できるよう府政運営に努めているところでございます。
他方で、議員御指摘のように、長期に及ぶコロナ禍において様々なリスクが顕在化しており、こうした状況をしっかりと把握して府政に反映し、府民満足度を高めていくことの重要性は、これまでにも増して高まっていると認識をしております。
例えば、感染拡大による社会不安の高まりは、感染症患者等への差別・誹謗中傷となって表われていると言われており、また、妊娠届出数が大きく減少しておりますが、これは、妊娠・出産時の感染リスクに対する不安感が広まっていることが、大きな要因ではないかとも言われております。
また、人と人との接触が避けられることで、地域における交流機会が減少し、人々の絆づくりに影響が及んでいることや、子育て世代等の孤立化が進行している状況が懸念されております。
こうした「不安感」や「孤立感」などは、コロナ禍の中で、人々の行動や意識の変化によって顕在化したものであり、議員御指摘のように、このような府民の意識をしっかりと把握して、府民に寄り添い課題等を解決していくことが、POSTコロナ社会における「地域の幸福度」を高めることにもつながるのではないかと考えております。
現在、新型コロナウイルス感染症が社会経済にもたらす変化が総合計画に与える影響を点検・検証しておりますが、この中で、府民意識調査につきましても、より課題が浮き彫りとなるような調査手法等を検討し、生活の豊かさや幸せを実感できる京都づくりに活かしてまいりたいと考えております。