(質問要旨)
2 地域経済分野への支援について
経済分野での支援について、本定例会に提案された14か月予算も含めると総額で3,400億円もの対策を講じているが、地域経済の状況には明るさが戻ってきていないと感じる。先月の月例経済報告等に関する関係閣僚会議では、日本経済の基調判断について、「持ち直しの動きが見られる」と、6か月連続で据え置かれたが、緊急事態措置が延長され、地元の多くの事業者が苦しい状態となる中、地域経済分野への支援に関し、次の諸点について、知事の所見を伺いたい。
(1)本府においても2度目の緊急事態宣言が発出され、現在はその期間が延長されている状況にある中、昨年末からの営業時間短縮要請や国のGoToトラベル事業の一斉停止等により、京都経済も幅広い業種で疲弊の色が濃くなっていると考えるが、現在の状況をどのように認識しているのか。
(2)新型コロナウイルス感染症危機克服対策会議での議論を通じて、飲食店の若手経営者が集い「安心の食プロジェクト委員会」を立ち上げ、飲食店の安全基準を高める認証制度の創設を目指していると聞く。緊急事態宣言解除後は、こうした京都らしい感染症対策等を十分に講じた上で、地域経済をV字回復させる必要があると考えるが、どのような戦略を持って施策を進めるのか。
(3)営業時間短縮協力金の支給により支えられている事業者がある一方で、国が一律に定めた制度では、協力金支給対象外の事業者が多数存在するため、こうした事業者を本府として支える必要があると考えるがどうか。
(答弁)商工労働観光部
次に、地域経済分野への支援についてでございます。
経済の現状認識についてですが、日銀京都支店が2月8日に発表した管内経済概況によりますと、「緊急事態宣言の再発令の影響もあって飲食サービスは一段と弱い動きとなっている」一方で、「電子部品・デバイスの生産は自動車やスマートフォン向けを中心に増加」しており、業種業態により景況に差が生じていると認識しております。
こうした状況は、京都府中小企業団体中央会の昨年12月の景況動向調査でも同様で、一部に回復の兆しはあるものの、商店街では「食堂、居酒屋等の店及び買い回りの物販店は大変苦労している」、旅館業では「Go toトラベルの一時停止により多くの予約取消が発生した」など、飲食業や観光関連業を中心に厳しい状況が続いております。
これらの業種はコロナ禍の影響をまっ先に受け、先が見えにくい状況が長期間続いていることから、疲弊感が強まっていると考えております。
そのため、京都府では、府内中小企業の事業継続と雇用維持を図るため、国の持続化給付金や雇用調整助成金に加えまして、無利子・無担保・無保証料の融資制度、事業再出発支援補助金など、あらゆる施策を総動員して全力で取り組んできたところでございます。
さらに、府内の事業者が困難を乗り越え、回復の段階に進むためには、未来に向けて夢や希望を持っていただくことが大切だと考え、危機克服会議を設置し、京都府の産業特色を踏まえた5つの分野ごとに、WITHコロナ・POSTコロナ社会における産業の目指すべき姿やその実現のための戦略を検討しているところです。会議では、京都が持つ文化や高度な技術、そして人と人との絆の力を活かして社会課題解決につながるイノベーションを生み出すべきなどの提案があり、こうした提案を活かして、分野ごとに施策を立案し、今回の当初予算案に盛り込んでおります。会議において更に議論を深め、早期に産業戦略を取りまとめて京都経済の回復につなげてまいりたいと考えております。
営業時間短縮要請の対象外の事業者に対する支援については、現在、国におきまして、飲食店の時短営業や外出自粛の影響を受け売上が減少した中小事業者に対する一時支援金の制度設計が進められております。京都府では、国に対しまして、この一時支援金が、地域経済の実情に応じ、幅広い事業者に支援が行き届くよう配慮を求める要望を行ったところでございます。
また、京都府といたしましても、コロナ禍の中、特に深刻な打撃を受けている「観光・伝統・食関連」産業の事業者が、企業グループを形成して行う工夫を凝らした新たな取組を緊急的に支援し、事業継続を後押しするとともに、今後、売上が減少し、融資の返済が難しい事業者が出てくることが懸念されることから、金融支援と経営支援を一体的に実施して伴走支援を強化するための予算を今議会に提案しているところです。
厳しい状況にある中小企業の事業継続と雇用維持のため、引き続き全力を尽くして参りたいと考えております。