(質問要旨)

2 防災対策について

国が水害や土砂災害について、市町村の避難情報と国や都道府県の防災気象情報を警戒レベル1から5に整理する中、レベル5で住民が取るべき行動について、自助を最優先とする考え方に異論はなく、自助を行うには専門家によるわかりやすい情報提供が必要と考えるが、防災対策に関し、次の諸点について、所見を伺いたい。                              (危機管理部長)

(1)消防団員や自主防災会などに聞いた防災情報の取得方法は、行政やマスコミからの情報を待つしかないとの回答が多く、災害からの安全な京都づくり条例の意図する自ら積極的に情報を取得するとの回答がなかった。その原因は、自助の考え方や行政からの災害情報が届いていないこと、発信された情報がわかりにくいことではないかと考える。安全確保のためには、わかりやすい情報発信や、自主防災組織など情報を活用する側への広報や指導、今回更新される総合防災情報システムの普及促進が必要と考えるが、取組方策はどうか。また、どのような工程で進めるのか。

(2)総合防災情報システムを遅滞なく周知するとともに、情報を発信すれば任務完了ではなく、情報が現場で活かされるようになるまで各市町村と連携するなど、まさに総合的な防災対策を進めることを要望する。

(答弁)危機管理部

防災対策についてでございます。
昨年の台風第19号では、関東甲信越や東北地方を中心に、国や県管理の71河川が決壊し、100名を超える死者、行方不明者が発生する大災害となりましたが、こうした災害から人命を守るためには、日頃から住民の皆様に災害の危険性を認識していただくとともに、災害時には、分かりやすい防災情報を速やかに提供し、徹底した避難誘導を行うソフト対策が重要であることが改めて認識されたところでございます。
京都府では、災害時の避難に役立てるため、平成26年から現行の防災情報システムを運用し、きょうと危機管理WEBや防災・防犯情報メール等を通じまして、気象や河川水位情報、市町村の避難情報等を提供しております。
また、平成28年には、災害からの安全な京都づくり条例を制定し、京都府が管理する全ての河川の浸水想定区域図作成や土砂災害警戒区域の指定等を進めるとともに、これらの災害危険情報に、自宅や避難場所、避難ルート等を地図上に重ね合わせて「わが家の防災マップ」が作成できるマルチハザード情報提供システムを整備し、これまでに養成した約300名の指導員を中心に周知、普及に取り組んできたところでございます。
さらに、今年度から、総合防災情報システムの機能強化に着手しており、庁舎被災によりサーバが損傷した場合も防災情報の受発信等が継続できるサーバのクラウド化、府、市町村間の迅速な情報共有や相互応援のための京都府災害時応急対応業務マニュアルに基づく業務管理機能の整備、災害時の膨大な物資仕分けや支援物資要請に対応する備蓄物資の管理機能強化に加えまして、外国人観光客や留学生のための防災情報の多言語発信、きょうと危機管理WEBにおける子育て家庭向けのチャンネルの開設、GISを活用した市町村の避難情報の地図化
など府民の皆様への情報発信の充実に取り組んでおりまして、令和3年度から運用を開始したいと考えております。
この総合防災情報システムから発信される防災情報は、公共機関の情報を一斉送信いたしますLアラートを経由して速やかに報道機関に提供され、テレビや携帯電話、インターネット等、府民の皆様が多様で身近なメディアを通じて、迅速に情報を入手することができることとなってございます。
さらに、府内各地で自主防災組織等による避難行動タイムラインの作成を進めており、府民の皆様に参加いただくワークショップにおきましても、様々な防災情報の内容や入手方法についても周知いたしますとともに、避難時に支援が必要となる高齢者等に対し、地域全体で声を掛け合う避難体制の強化にも取り組んでいるところでございます。
今後とも、市町村や消防団、自主防災組織等とも連携し、災害時には全ての府民の皆様に適切で迅速な避難行動をとっていただくよう、分かりやすい防災情報の提供と周知に努め、議員御提案の災害情報のユニバーサルデザイン化を推進してまいりたいと考えております。