(質問要旨)
3 文化庁の移転を契機とした文化芸術の振興について
文化庁の本格移転に伴い、府民が恩恵を実感し、各業界が活性化するようなソフト面の施策実施と継続が重要であり、京都府総合計画でも文化を大きな柱の一つとしているが、文化庁の移転を契機とした文化芸術の振興に関し、特に文化財の保存と活用の観点から、次の諸点について、知事の所見を伺いたい。
(1)文化芸術の継承・発展及び創造の推進に対する府民の期待に応えるため、文化財の活用について、文化芸術の発信も含め、府民の文化力の向上や経済活性化のための取組方策はどうか。
(答弁)文化スポーツ部、商工労働観光部
青木議員の御質問にお答えいたします。文化財の活用策についてでございます。
京都府では、京都の強みのひとつである文化財を、文化芸術の発表の場とすることや観光などの幅広い分野で活用することが、経済の活性化にもつながると考え、京都府総合計画でも文化財の活用を柱のひとつとして位置づけたところでございます。
このため今年度は、商工労働観光部と教育委員会による初めての連携事業として、文化財修復現場の特別公開と「もうひとつの京都」エリアの文化財、観光地等を巡るモデルツアーを実施し、京都市外の新たな魅力の発信につなげたほか、天橋立とその周辺の文化財を舞台として開催したデジタルアート展では、5万人を超える来場者を迎え、7月から9月までの天橋立地区の宿泊者数が昨年度比約12%の増加となるなど、文化芸術の発信だけでなく、京都府北部地域への観光誘客と地元経済の活性化にも寄与したところでございます。
また、府内各地域における社寺等の文化財を活用して行われる展示会や音楽イベントといった文化芸術発信の取組に対する助成制度も創設したところでございます。
令和2年度は、これらの取組をさらに進め、モデルツアーの見学先を保存修理現場だけでなく、地域の祭りにも拡充するとともに、天橋立のデジタルアート展についても文化庁と連携し、規模を拡大して開催することとしております。
京都府域には、まだよく知られていない魅力的な文化財が多いことから、京都府と観光連盟、各地域のDMOをはじめ旅行会社等をメンバーとする「文化財観光に係る検討会議」を開催し、旅行事業者やガイド事業者等が活用できるよう、文化財の情報を効果的に発信していきたいと考えております。
今後も、民間企業も含めた多様な主体と連携しながら文化財をはじめとする地域の数多くの魅力を広く発信することで、文化財に触れる機会の拡大を契機として、府民の皆様の豊かな生活の充実や地域経済の活性化につなげるとともに、文化財の保存と活用の好循環を生み出してまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。