(質問要旨)

1 犯罪被害者等の支援について

本府では、平成16年に議員提案で「京都府犯罪のない安心・安全なまちづくり条例」が制定されたものの、府内の全市町村を含む、多くの地方自治体では平成28年の犯罪被害者等基本法の改正法施行を受け、犯罪被害者支援に特化した条例等を設け、対策の改善を進めている。京都アニメーション放火事件のような防ぐことが困難で凄惨な犯罪が発生している現状を踏まえると、多くの被害者に寄り添い、具体的かつ公平に支援する条例を早急に制定することで、府民が安心・安全に暮らせる街づくりに繋がると考えるが、知事の所見を伺いたい。

(答弁)府民環境部

青木委員の御質問にお答えいたします。

犯罪被害者の支援についてでございます。

府民の皆さまが安心して安全に暮らすことができる社会の実現には、犯罪を抑止することと併せて、犯罪被害者が一日も早く被害から回復し、再び平穏な生活を営むことができるよう、一人ひとりに寄り添ったきめ細かな支援を行うことが必要でございます。

これまでから、犯罪被害者への支援は、民間団体として設立された京都犯罪被害者支援センターにおいて、裁判所や行政窓口への付添い、カウンセリング、弁護士相談など、犯罪被害者に寄り添った支援が進められているところでございます。

京都府におきましても、こうした支援センターの取組を継続的に安定して進められるよう、平成13年から財政的な支援を行っているところでございます。

また、平成16年には、「京都府犯罪のない安心・安全なまちづくり条例」が制定され、これを契機に、平成20年に京都府に犯罪被害者サポートチームを設置し、支援センターを始め、支援に関わる団体との協力体制を強化してきたところでございます。

近年では、委員御指摘のとおり、京都アニメーションや大阪のクリニックでの放火殺人事件のように、誰もが突然、犯罪被害者になる可能性があることや、被害者の居住地が広範囲にまたがることから、犯罪被害者支援のあり方について関心が高まっております。

また、委員御紹介の京都弁護士会からの声明に加え、昨年12月には、日頃から犯罪被害者の声を聞いておられる支援センターから、被害直後から途切れることなく経済面、生活面、医療面での支援を受けられるよう、犯罪被害者支援に特化した条例の制定を求める要望書もいただいたところでございます。

京都府といたしましても、こうした社会の変化に応じた支援のあり方を改めて検討することが必要と考え、支援センターや学識経験者などから御意見をお聞きしたところでございます。

その中で、支援に当たりましては、
・ 京都府が主導して、市町村、警察、支援団体など、より幅広い関係者が一体となって支援を進めるワンストップ体制の充実が必要であること
・ 犯罪被害者は、深い精神的なダメージによって、家事や介護、育児がままならないなど、多大な支障が生じるため、日常生活に対する十分なケアが必要であること
などの御意見をいただいているところでございます。

今後は、こうした御意見を踏まえ、犯罪被害者の支援に特化した条例の制定に向けまして、京都府の果たすべき役割などについて更に議論を深めながら、オール京都で被害者に寄り添った支援を進めることができるよう取り組んでまいりたいと考えております。