(質問要旨)

4 コロナ禍で大きなダメージを受けた商店街の振興について

人流センサーと電子広報板による来街者の見える化等の「スマート商店街」の取組や、「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」の啓発、使用済みおむつの回収機の設置など、各商店街が地域特性に応じ、コロナ禍等の諸課題への対応を進める中、コロナ禍により地域コミュニティの核となり、存在意義が増した商店街に対し、本府として、デジタル化や子育て支援等を通じ、引き続きどのような振興を図っていくのか、知事の所見を伺いたい

(答弁)商工労働観光部

次に、商店街への支援についてでございます。
商店街は、地域住民にとって身近な買い物の場であり、地域を支える存在として重要な役割を果たしてきましたが、生活様式の変化に伴う地域コミュニティの希薄化に加え、コロナ禍により大きな影響を受けました。

こうした中、危機克服会議において商店街の活性化等について議論した結果、商店街が市町村や地域団体など多様な主体と連携し、地域コミュニティの課題解決を図ることが必要との提言を踏まえまして、令和3年度より「新しい商店街づくり総合支援事業」を開始し、商店街を核として地域課題の解決を図る取組を支援してまいりました。

議員御紹介の京都錦市場商店街については、「京の台所」として多くの観光客も訪れる知名度を活かし、商店街の魅力をVRを始めとするデジタル技術により広く発信するなど、「スマート商店街」の実現に向けた取組を展開されており、京都府としてもモデル事業として支援してまいりました。

しかし、多くの商店街ではデジタル化を担う人材が不足し、商店主らがデジタル技術を学ぶ機会もないため、対応が進んでいない状況にございます。

そこで、令和4年度の新たな取組として、京都府主催で、情報発信の技術などをオンラインで学ぶ「商店街デジタル研究会」を開催したところ、商店街のデジタル化に興味を持つ、延べ73名の方に参加いただいたところでございます。

研究会においては、商店街関係者だけではなく、学生やデザイナーなどの外部人材も多く参加し、SNSを活かしたイベントのPR方法や、オンラインで魅力を伝える技術などを共に学ぶことにより、商店街のデジタル化を担う人材のネットワークが生まれております。

こうした取組をさらに強化するため、今定例会に提案している予算案においては、より多くの商店街関係者が学生や若者とともにデジタル技術を学び合う場づくりや、学びを活かして実際に商店街での課題解決に取り組むために必要な経費を計上しております。

また、子育て支援については、議員御紹介の河原町商店街を始め、妊婦やお子様連れでの外出を応援する「きょうと子育て応援施設」モデル事業に、延べ33商店街が参画をされ、トイレの貸し出しやミルク用のお湯の提供など、商店街が地域ぐるみで子育てに取り組む事例が増えております。

こうした商店街からは、子ども連れで来街しやすい環境づくりを更に進めるための施設整備などへの支援を求める声もお伺いしていることから、今定例会において、商店街が地域の子育てを支える拠点となるための機能整備を重点的に支援する予算案を提案しております。

引き続き、デジタル化や子育て支援を始め、一つ一つの商店街の状況に応じたきめ細かい伴走支援を行い、地域コミュニティの核として、持続的に発展する商店街づくりを進めてまいりたいと考えております。