(質問要旨)
5 子どもの教育のための総合交付金について
府政の最重要課題である子育て環境日本一・京都の目玉施策として、令和5年度当初予算案で創設が掲げられた「子どもの教育のための総合交付金」に関し、次の諸点について、知事の所見を伺いたい。
(1)子どもの教育のための総合交付金は、子育て環境日本一・京都の実現に向けた、今後の教育施策の大きな柱になっていくものであり、その展開としては、市町村から創意工夫ある取組の申請を受け、それらを審査・採択していく形となると考えるが、市町村に対してどのような取組を期待しているのか。また、その効果を知事が掲げる「あたたかい京都づくり」の実現に向け、どのように活かしていくのか。
(2)一義的には、京都市は本交付金の対象外と聞くが、真の「教育環境日本一」を目指していく観点から、京都市の教育施策の更なる充実を引き出すことが他の市町村の施策の先駆けとなり、総体として府全体の教育施策の充実につながるとも考える。誰もが夢や希望を持ち、活力にあふれ誇りの持てる京都を築いていくためには、教育環境の向上に向けた取組についても、府と市が一体となって推し進めていくべきと考えるが、今後の事業実施に当たっての京都市の取扱いについての考えはどうか。
(答弁)(1)教育委員会
次に、「子どもの教育のための総合交付金」についてでございます。
子育て世代にとって、「子育て」と「教育」は切り離すことのできないものであり、一体的に進める必要があることから、新しい総合計画に掲げた「子育て環境日本一・京都」の実現のためには「教育環境の向上」は欠かせない要素でございます。
教育を受ける子どもたちやその保護者の皆様に「京都の教育は良くなった」と実感いただくためには、私が掲げてきました「現場主義」に基づきまして、府民ニーズを一番近くで捉えている市町村の実情に応じたきめ細かな施策を後押しすることが効果的であると考え、全国初となります教育に特化した総合交付金を創設することといたしました。
その対象事例としましては、
・ 不登校児童生徒への対応として、教室に入れない児童生徒に校内で別の学びの場を確保する取組
・ 地産地消のための食材の割り増し経費への支援
・ 特別な支援を要する児童生徒への対応
など、まさに「あたたかい京都づくり」を実践するようなものを「市町村特色枠」として設定してまいりたいと考えております。
また、これまでにない新たな取組に積極的にチャレンジし、他の市町村の模範となるようなリーディング事業について、「重点支援枠」を設けるなど、メリハリのある制度設計を進めてまいりたいと考えております。
さらに、この交付金で支援した施策について、その手法や効果、課題などを施策別に分類するなど活用しやすいよう取りまとめて、全市町村で共有し、効果の高い施策が府内に浸透しながら進化していく、施策の好循環を生み出すことにより、「あたたかい京都づくり」に活かしてまいりたいと考えております。
(答弁)(2)教育長
青木議員の御質問にお答えいたします。
「子どもの教育のための総合交付金」に関する京都市の取扱いについてでございます。
京都市については、他の市町村と異なり、政令指定都市であることから、教職員の人事権を有するとともに、平成29年度に府から権限を委譲した教職員の給与費を負担するなど、それぞれの権限と責任の元、行政事務を分担しているところであります。
一方で、教育環境を府市が相互に高めあうことは非常に重要と考えており、加えて、先ほど知事が答弁されましたように、この交付金の機能として、市町村の効果のある施策が府内に浸透して進化していく好循環の視点に立ったとき、京都市からの提案も府域全体にとってプラスとなることも考えられます。
府教育委員会といたしましては、議員の御指摘を踏まえ、府域全体の教育環境の充実に寄与し、他の市町村の模範となるリーディング事業が京都市から提案された場合には、その効果を踏まえて、「重点支援枠」での取扱いについて、検討してまいりたいと考えております。